不動産の「競売」とは?
「住宅ローンの支払いが滞ってしまった…」「返済の目処が立たない…」
そんな状況が続くと、債権者(金融機関)は貸付金を回収するために「競売(けいばい)」という手段を取ります。「競売」という言葉は、耳にしたことがある方も多いかもしれませんが、実際に自分の家が競売にかけられるとなると、混乱や不安が大きくなるでしょう。
今回は、不動産の競売とは何か、その仕組みや流れ、デメリットや回避方法などを解説します。

目次
- ○ 「競売」とは?
- ○ 「担保不動産競売」と「強制競売」
- ○ 競売の対象となる主なケース
- ○ 競売の流れ
- ・①住宅ローンの滞納・金融機関による督促
- ・②代位弁済
- ・③競売開始決定通知
- ・④現況調査・評価書作成
- ・⑤入札通知
- ・⑥入札期間・開札
- ・⑦売却許可決定・代金納付
- ○ 競売のデメリット
- ○ 競売と任意売却の違い
- ○ 競売を避けるには?
- ・住宅ローン返済条件の変更を交渉
- ・任意売却の検討
- ・親族間売買・リースバックの検討
- ・自己破産の検討
- ○ まとめ
「競売」とは?
債務者によるローン等の返済が滞った場合に、債権者が裁判所を通じて、担保である不動産を強制的に売却し、貸したお金を回収する手続きを「競売」といいます。
「家を売りたくない」、「住み続けたい」という持ち主(債務者)の意思に関係なく、強制的に家を売られてしまうのです。
【借金問題における債務者と債権者】
❓債務者:お金を借りた側(お金を返す義務を「債務」という)
❓債権者:お金を貸した側(お金を返してもらう権利を「債権」という)
「担保不動産競売」と「強制競売」
●担保不動産競売
不動産を担保にして借金をする
↓
債務者が借金の返済を滞納
↓
債権者(金融機関)が担保にした不動産を競売にかける
●強制競売
債務者が借金の返済を滞納
↓
債権者が裁判所を通じて債務者の財産を差し押さえ
↓
競売にかける
(※強制競売の場合、不動産だけでなく、自動車などの財産も競売対象となることがある!)
競売の対象となる主なケース
●住宅ローンの滞納
住宅ローンの返済を滞納すると、金融機関が不動産に設定した抵当権を行使し、不動産が競売にかけられる
●借金の滞納
不動産を担保と設定していない場合でも、現金化できる財産として不動産が競売にかけられることがある
●マンションの管理費や修繕積立金の滞納
他住民との公平性を保つために、マンションの管理組合が申し立てるケースがある
他にも、固定資産税の滞納や、相続の遺産分割協議が調わなかった場合にも、競売にかけられることがあります。
競売の流れ
①住宅ローンの滞納・金融機関による督促
債務者が住宅ローンを滞納する
・はじめの1~3ヶ月:債権者(金融機関)より電話や書面で督促される
・3ヶ月~半年経過:債権者(金融機関)より「督促状」や「催促状」が届く
それでも何もしない場合、「期限の利益」の損失届が届き、残債の一括払いが求められる
※債務者は「期限の利益(分割して支払いできる権利)」を失う
②代位弁済
残債の一括払いができない場合、「代位弁済」の通知が届く
代位弁済の後は、債権者が「金融機関」から「保証会社」に変わる!
❓「代位弁済」:第三者(保証会社)が、債務者の代わりに残債を一括返済すること
③競売開始決定通知
代位弁済から数ヶ月経過:「競売開始決定通知」が届く
※この通知が届くと、4~5ヶ月後には競売が実行されることを意味する
④現況調査・評価書作成
競売開始決定通知が届いて数ヶ月以内に、裁判所から任命された執行官や不動産鑑定士による現地調査・査定が行われる
物件の「現況調査報告書」、「評価書」、「物件明細書」が作成され、後に物件情報として公開される
⑤入札通知
現地調査から数ヶ月後、入札通知が届く
裁判所が運営する不動産競売サイト(BIT)などに、物件の情報が掲載される
(査定結果・物件写真・入札期間・開札日・売却基準価格などの情報が掲載される)
⑥入札期間・開札
競売が開始されて約1週間後に開札が行われる
入札金額が確認され、最も高い金額を入札した人が落札者となる
⑦売却許可決定・代金納付
落札者は、裁判所で審査が行われた後に売却許可決定が出される
裁判所への代金納付が完了すると、不動産の所有権は落札者に移転する
※所有権が移転した場合、速やかに家を明け渡さなければならない!
競売のデメリット
競売が実行されると、家を手放すことになるだけでなく、以下のようなデメリットも伴います。
●売却価格が相場よりも低い
→ 一般的に相場の5~7割程度で落札されることが多い
売却価格が残債を下回る場合には、残債を支払い続けなければならない
●引っ越し費用は自己負担
→ 競売による不動産の買主は、転売目的の不動産業者が多い
収益の確保を目指しているため、基本的に引っ越し費用は出ない
(強制執行で家財などが強制的に運び出された場合、移動や保管費用も負担しなければならない)
●退去は強制的に行われることも
→ 競売の場合、引渡し日の相談などができない
そのため、次に住む場所が決まっていなくても、明け渡し日になれば出ていかなければならない
●プライバシーが保たれにくい
→ 調査員などが現地調査に来たり、裁判所の競売サイトや公告に物件情報が公開されたりするため、周囲に知られる可能性がある
競売と任意売却の違い
「任意売却」とは、競売になる前に、債権者の合意を得たうえで通常の売却と同じ形式で家を売る方法です。
競売との違いは主に以下の点です。
※【任】:任意売却 【競】:競売
●売却形式:【任】通常の不動産売却と同じ
【競】裁判所による入札手続き
●売却価格:【任】市場価格に近い
【競】市場価格よりも低くなることが多い
●プライバシー:【任】保たれやすい
【競】保たれにくい(所有者の経済情報などが知られるリスク有)
●所有者の意思:【任】反映されやすい(引渡時期や条件)
【競】ほとんど反映されない(裁判所の決定に従う)
●残債の返済:【任】無理のない金額で返済することを債権者と交渉でき、比較的柔軟
【競】免除されず支払い続けなければならない
競売を避けるには?
もしも、住宅ローンの返済が難しくなった場合は、以下のような対応を検討しましょう。
住宅ローン返済条件の変更を交渉
債権者(金融機関)に対し、支払い条件(返済期間や、毎月の返済額など)の変更を交渉する
※毎月の返済額が減るだけで、債務が免除されるわけではない
(返済期間が長くなると債務総額も増加していくので注意!)
任意売却の検討
任意売却:債権者(金融機関)の同意を得て通常通り売却する方法
・競売よりも高い金額で売却できる可能性が高い
・競売開始決定後でも実行可能
※開札日の前日までに代金の受け取り・物件の引き渡しを完了しなければならない
親族間売買・リースバックの検討
家に住み続けられるというメリットがある
※親族間売買:売却価格と市場価格とが大きく異なる場合、贈与税がかかることもある
※リースバック:家賃の支払い義務が生じるため、家を売却しても残債が残る場合、利用が難しい…
自己破産の検討
裁判所に申し立てて借金を0にしてもらう
※高額な財産は処分や換価がなされ、債権者に配当(不動産は原則として処分される)
まとめ
競売とは、借金やローンの返済が滞ったときに、債権者が裁判所を通じて強制的に不動産を売却し、債権を回収する仕組みです。
競売による売却価格は市場より低くなりやすく、所有者にとっては経済的・精神的負担が大きくなりがちです。
一方で、「任意売却」などの手段を使えば、ある程度自分の意思で売却を進めることも可能です。
住宅ローンの返済が厳しくなったときは、早めに専門家に相談し、競売を回避できる方法を探ることが大切です!
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この記事を読む皆様が納得のいく不動産売却ができるように切に願っております。
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